2009年11月19日木曜日
学会とは
2009年10月21日水曜日
ポートフォリオマネジメントの課題、総枠はどう判断するのか
ポートフォリオマネジメントの重要な役割が費用配分問題にあることはたしかだが、あわせてIT投資の総額をいくらにすべきか、は、さらに、重要なテーマである。
ITへの支出を投資と考えれば、それは資金調達可能性や利益の配分の観点から検討できるが、コストと考えれば売上高原価率を参照すべきであろう。しかし、単なる間接経費とみられているならば販売費および一般管理費内の配分比率として設定されるてしまうであろう。
総額はいくらが妥当かを検討する前に、ポートフォリオマネジメントとして、各カテゴリーが経営上、どう位置づけられているか、という基本的な問題についても合意形成を図る必要があるだろう。
2009年7月12日日曜日
不況下のIT投資マネジメント
2009年4月16日木曜日
南波幸雄さんの 「 企業情報システムアーキテクチャ」を読んで
もとより経営情報学は経営学と情報学との補完的な関係あるいは2つの領域の融合を目指しているわけではあるが、しかし、相変わらず経営学と情報学を並列的に、あるいはどちらかの視点が主で、もう一方が従である議論も少なくない。この本を読めばすぐわかるが、企業経営のなかでのアーキテクチャーの位置を確認し、それを構築している点が、大きな特徴であり、まさしく経営情報学とは何かを示唆している。
ところで、この本で私たちにとって大変重要な指摘が書かれている。
私たちの本「IT投資マネジメントの発展」で強調したレディネスが、きちんと取り扱
われていることである。
南波さんによれば、経営戦略との情報システムの関係の議論は、ながらくITは経営の道具、という俗説的アライメント論に振り回されてきた。つまり経営戦略をきめその道具としてIT、情報システムが構築されるべきだという議論が主流であった。
しかし、南波さんが強調しているのは、逆の矢印もあるはずだ、つまり、ITや情報システムが経営戦略に影響を与える、あるいは経営戦略に先立って情報システム、とりわけ基盤的、基幹的情報システムは構築されねばならないという点である。
この議論は、本のなかでも述べられているように、私たちの本、とりわけ、小酒井さんの8章「インタンジブルズの管理」で示されたレディネスの概念を、情報システム学の視点から、確認したことと読める。
経営戦略と情報システムとが双方向の関係にあるという点、そこにおけるレディネス(備える)を高めるためにこそアーキテクチャーの役割があるのだと指摘した点で、この本は、歴史的な本といえる。つまり経営学と情報システム学が有機的に融合できることを示しているからである。
2009年4月10日金曜日
上流下流こだわり論
また、「ものづくり」を利益に結びつけるためには、価値創造と価値獲得の2つの要因が必要である。そして、価値獲得で重要なのは差別化・独自性で、補完的資源としては、販売チャネルとブランドの2つがなければ、価値獲得は難しいと言われている(延岡健太郎、(2006))。
さらに、古くはChandler, Jr.(1977)が、厳密な言い方ではないが、「もの売り」を前方といい、「ものづくり」を後方といっている。また、新しいところではTeboul(2006)が販売・サービスを表舞台といい、サプライチェーンを裏舞台といっている。何も、海外の考え方だからといって担ぐ心算はないが、「ものづくり上流論」には、「ガラパゴス製品」をついつい作ってしまう危うさを感じる。
一方、ソフトウェアの世界では、「上流」、「超上流」という言葉が俄然注目を集めている。このこと自体は悪いことではないが、この言葉を聞くと、新しい工場建設に携わったのであれば、工場計画もできるだろうという昔話を思い出す。計画と建設は全く異なる知識領域あるいは文化を持っていると思う。したがって、「上流」という言葉は「下流から遡れる」という印象を与えかねないという危うさを感じる。
エンジニアリング業界では、「上流」に相当する業務をFEED(Front End Eng-
ineering)と呼んでいる。エンジニアリング業界に身を置いたことのある筆者としては、この言葉の方に親しみを感じる。ハードウェア・エンジニアリングとソフトウェア・エンジニアリングとを同一視する心算はないが。
もしかすると、「上流・下流」と「前方・後方」という言葉遣いは、「縦社会」と「横社会」の意識の差からくるものであろうか、あるいは単なる「事大主義」であろうか。
2009年4月8日水曜日
アーキテクチャ論批判
また、ビジネスアーキテクチャにリンクした情報システムの議論が不可欠である。情報システムアーキテクチャがビジネスアーキテクチャ、さらに組織アーキテクチャと連携しながら議論されなければならないだろう。情報システムをビジネスシステムの一部と考えるか、相補的な関係を重視するかは議論があるが、情報システム構築のためのシステムアーキテクチャ論に潰えてしまうのは、避けるべきであろうことはいうまでもない。
2009年4月7日火曜日
2009年4月5日日曜日
PDCAサイクル
2009年4月4日土曜日
「IT投資マネジメント」PBLコースモジュール
2009年4月3日金曜日
アジャイル開発とIT投資マネジメント
情報システムは大規模化し長期化している。初期投資は増加し、本番稼働しなければ効果は得られない。つまり、支払と利益取得のタイムラグはますます拡大する一方である。アジャイル開発では、効果が見える単位にプロジェクトを分割し小ロットで開発することを基本とする。そうすることによって、確実に支払と効果発生のタイムラグは短くなる。最初に仕様をすべて決めきるのではなく、環境の変化に機敏に対応できるよう、必要なソフトは必要な時に開発すればよいとし、ムダなソフト開発をできる限り排除することで、不要な発生を抑えることができる。価値に応じた負担と最小の経営リスクでの情報システム化を実現するための方策がアジャイル開発である。
これらは従来型の開発手法で開発する限り避けられない。言い換えると、先に支払っても効果があがらないことが十分想定されるのである。効果は早く、支払いはゆっくりとする変動費型モデルへチェンジしなければならないのである。
アジャイル開発は、仕様が最初に決まらず、変わりうることを前提とした開発手法であり。①プロセスやツールよりも、人と人同士との交流を、②包括的なドキュメントよりも、動作するソフトウェエアを、③契約上の交渉よりも、顧客との協調を、④計画に従うことよりも、変化に対応すること*1、を基本としている。
そして、必要なソフトを必要な時に必要なだけ作るというトヨタ生産方式の考え方を取り入れ、チームワークを重視し、ソフトウェアの管理単位を小ロット化している。機能の試作を早く行い、すぐにユーザーが確認し、修正する。この繰り返しがアジャイル開発の基本である。アジャイル開発はプログラムの書き方ではなく、システムの開発方法、開発プロセスを意味している。
アジャイル開発の直接的な効果は開発費の低減、期間短縮である。岐阜県での実績では、とりわけ品質の向上が図れたと報告されている。開発期間の短縮は利益を早く自社にもたらすことができるばかりでなく、環境変化によってシステムが不適応を起こすリスクを最小限にすることができる。
経営者からみたアジャイル開発手法の最大のメリットは、なによりも発注単位を小さくできることにある。全体の範囲を最初から決めるのではなく、進捗に応じて明確になった部分だけを発注できることで、一括丸ごとで発注、支払いではなく、プロジェクトを分割して、停止や休止、縮小、さらに再開への多様な選択肢を持てることである。リアルオプションアプローチを活用すれば、このようなオプションをもつことが、さまざまな環境変化による不確実性から生じる損失を軽減することが明らかになる。まさしく、経営者にとって最大の価値となる。
*12001年アジャイル開発宣言
2009年4月1日水曜日
ビジネスデザイン
それから、しばらくたって、「ビジネスデザイン学科」あるいは「ビジネスデザイン研究科」を持っている大学を調べました。そして、幾つかの大学がすでに設置していることが分かりました。しかし、そのカリキュラムは従来の経営学の枠に拘ったものでした。私には「デザイン」という考え方のないものに思えました。