2009年3月29日日曜日

IT経営力大賞の基調講演から

http://www.gh9.com/cs/itouentai/outline.html
2009.02.25, 少し話しをしました。
以下そのストーリーです。資料は、次のサイトを参照ください。
・昨年来の金融危機で2つのことを学習した。第1に、現代の経済は信用に大きく依存しており、それが拡大すれば、需要が増大し、経済も拡大する。収縮すれば、需要が減退し、経済は縮小する。第2に、ネットワーク網の整備と業務のグローバル化によって、いとも簡単に、膨大な資金が国を越えて移動できる。
・この2つは社会システムとして人類が構築してきた武器ともいえるもので、そのパワーは原子爆弾にも比肩しうるほど強力である。人類はこの武器の危険さを昨年知った。次の時代は原子爆弾をコントロールするのと同じように、注意をもって管理することが大きな命題となっている。
・この世界大不況を超えた次に、それが5年後であれば、その風景は今と大きく異なる。世界が注目しているのは、BOPマーケット、すなわち世界の最貧困層に属する40億人をどのようにして経済の枠組みに加えるかである。単に、支援するのではなく、教育し、雇用の場を作り、給与を支払うことによって消費購買層として成長させうるかである。ケニアにコーヒー豆の会社を経営している日本人経営者がすでにいる。人を育てるという日本特有の強みをいかすべきではないか。
・オバマ大統領は就任演説で、石油を使うことはテロを助長するとさえいった、だから環境にやさしいエネルギー技術にとりくむと。これは国家戦略の転換なのだ。どんな時代になっても世界は日本を必要とするはずだ。石油価格が上昇し、油田を掘削するならば、掘削機械は、日本の技術を応用せざるを得ない。環境重視になったら、やはり日本の技術が不可欠なのだ。
・マイケル・ポーターは危機こそ、有能な経営者が改革に専念できる好機だと述べる。森精機の社長も、今、仕掛けておくことが、景気回復時期に大きな採算性の向上に結びつくという。まさしく、この時期にIT経営の真価が問われているのだ。本当に役に立つのかと。
・IT経営の駆動力はIT投資余力と経営者の改革意欲だ。好況期は投資余力はあっても、改革意欲はあまりない。今の不況期には改革しなければ生き残れない、これは経営者の常識だ。いかに少ない費用で改革を実現するかを考えるしかない。
・基本戦略は、従来の初期投資モデル、すなわち最初に大きく支払って、その後、ゆっくりと効果を上げ回収するモデルから、新たな変動費モデル、すなわち、早く効果を上げ、必要な費用だけ支払うモデルへと転換することである。そのための施策が、アジャイル開発であり、Saasの活用である。それによって、経営リスクを最小にできるIT経営の構築が可能になる。
 アジャイル開発は、日本的生産システムをソフトウェア開発に応用したものである。とりわけ、必要なソフトを必要な時に必要なだけ作るという精神である。重要なのは、企業、ITコーディネーター、そしてベンダーが、分業ではなく、一緒になってチームワ-クを構成することである。
 Saasは、従来の作ることを中心に情報システムを構築するのではなく、使うことを重視した情報システム構築への転換を意味する。
 CIOは、まさしく企業の全体構造を明示し、ブレのないように、必要な情報システムを構築するという使命をもっている。
 Saasの基本は業務代行である。EDIで受注した案件を、受注者に代わって回収代行してくれるならば、中小中堅企業にとって大きなメリットである。
・IT経営が役立つかどうかは、経営者の改革意欲による。しかし、改革意欲のある経営者を今こそ裏切らない覚悟をもって支援するのがまさにIT経営なのではないだろうか。

2009年3月28日土曜日

CIO百人委員会

3月25日、経済産業省のCIO事業の一環としてCIO百人委員会が開催されました。


しかしメンバーがすごかったですね。ただただ、ため息でした。
トヨタの渡辺社長が委員長でした。

2009年3月27日金曜日

3月度勉強会

2009年3月7日(土)開催

■ 開催日時・場所 IBCS 丸ビル 3月7日(土)15:00~17:00

■ 内容 
15:10~15:50;藤原 正樹氏(ITIM 関西事務局)
『博士論文の概説、関西におけるITIM 演習の取り組み報告』 
昨年来、IT投資マネジメントの共通教材が作れないかと取り組んできました。
とりわけ、JIPDECが作成した、ガイドライン、
http://www.jipdec.or.jp/chosa/it_management/
は、大変な労作ではあるのですが、内容が詳細にわたりすぎ、実施がなかなか困難であるとの声もありました。
具体的に、教材、ケースをつくることで、コンサルタント、ITコーディネーターの方に活用していただき、IT投資マネジメントを、具体的に企業に取り入れてもらえるようにしたいと願っていました。
今回、関西のITIM研究会にて、大変ご苦労され、それを実施してこられました。
藤原さんに、その報告をしていただきました。

16:05~16:35
松島 桂樹 先生 『PBL(Project Base Larnig)によるITIM 教育について』
ICTマネージメント人材育成PBL教材開発 テーマ;「ICT投資マネージメント」が実施されました。
この事業は、早稲田大学大学院、国際情報通信研究科、国際情報通信研究センター、小尾研究室が受託され、当ITIM研究会からも何人か方が参画されました。
その概要について報告しました。

2009年3月21日(土)開催

■ 開催日時・場所   3月21日(土)15:00~18:00   
武蔵大学 7号館 7102教室

■ 内容 
15:05~16:05;内閣調査室 藤参事官 様   
  『今後の世界経済とわが国の動きとITのかかわり(仮題)』 
今聞ける最悪、悲観的なシナリオを拝聴しました。中国は今年後半に失速、欧米はたちあがれない。
日本はなにも動かない。

16:10~17:10;玉川大学 小酒井 正和先生     
『出版記念講演 BSCによる戦略志向のITマネジメント』 
人的資本の整備、組織資本の整備が、重要な戦略の基盤となるとかたっていました。

17:25~17:55;武蔵大学 松島 桂樹先生     
『BOP市場におけるITIM』 
ネクスト40億人への市場開拓がポスト金融危機に不可欠。

2009年3月25日水曜日

はじめます。

戦略的IT投資マネジメント研究会(ITIMフォーラム)のblogを開始します。
                                  [ 経営情報学会研究部会]

研究会設立の背景
IT投資評価が大きな転換点にたっています。効果の数値化が困難であることは改めて言うまでもないことですが、それにとらわれすぎることによって、実質的にIT投資が躊躇されたり、総論賛成各論反対という土壌をブレークスルーできずに喪ってきたビジネス機会があまりにも多いように思います。
米国では、新たなIT、たとえばWeb、eビジネス、ポータルを前にして、改めて従来のROIやビジネスケース分析を超え、IT投資評価への新しい方法論が語られてきています。バランストスコアカード(BSC)、リアルオプションアプローチ(ROA)、ITポートフォリオマネジメントなどです。 効果の数値化の困難性に立ちすくむのではなく、そこにチャレンジすることで、様々な分析や知見が得られ、その先に、大きなビジネス機会が開拓できるように思います。
 

研究会の趣旨
本研究会は日本におけるIT投資マネジメント研究の促進と普及を通じて、効果的なIT投資の推進に貢献することを目的に、投資意思決定、事後評価およびIT資産の管理などIT投資に関する諸問題を共同研究により明らかにして行きたいと思います。 具体的な活動は主に以下の4点です。
①共同研究   メンバーの共有する研究テーマに関して実証的研究や文献研究などを共同で実施する
②輪読会   内外の文献を原則、通年で輪読する
③メーリングリストによる情報交換・共有リングリスト   前身のフォーラムの機能をこれまで通り活用する
④オフラインによる勉強会   メンバーの中から講師を選出するなどして、相互の研鑽を深める
参加メンバー(参加資格)
IT投資マネジメント関連分野の研究者(学界、企業ほか)と実務者。(経営情報学会研究会は経営情報学会会員であることが必要ですが、本研究会は前身であるフォーラムを解散せず本研究会と一体として維持継続しますので、非学会員の参加も歓迎します)
メーリングリストで運用しています。以下の趣旨とルールをご参照いただき、ご意見、および参加希望を
ITIMforum@ml.gssm.musashi.ac.jp.
平成14年4月1日
平成15年2月1日(修正)
平成15年2月27日(修正)
平成17年6月20日(修正)

1.目的:
日本におけるIT投資マネジメント研究の促進と普及を通じて、効果的なIT投資の推進に貢献する。.

2.参加メンバー
IT投資マネジメント関連分野の研究者(学界、企業ほか)と実務者

3.活動
原則として、メーリングリスト機能を活用したネットワーク環境での情報交換、情報共有
(当面、武蔵大学情報システムセンターのメーリングリスト機能を活用)
また、オフラインミーティングの随時開催.

4.運営ルール

上記参加資格の通り本研究会は入退会を個人の意思により自由としますが、メンバーの知的財産権保護の観点から、比較的クローズなメンバーシップ制をとります。すなわち、下記各点をルールとします。
①参加者名簿は内部で公開し、本研究会に関する情報交換、意見交換はメンバー間に限定する。
②本研究会の活動で得た知見を個人がノウハウとして活用することはかまいませんが、メーリングリストからのメールを研究会外部に転送することは禁止する。 
③研究会の成果物・著作物を再利用する場合は、作成者の許可を必要とします。